僕はアナログ人間
いつぞやの記事にも書いたけど、キャッシュレス決済サービスも交通計ICとクレジットカードくらいしか使えないおじさんだ
そんなアナログ人間にとっては、最近どんどん生きにくい世の中になっていくなぁと思う
今日、ご飯屋さんに行ったんだけど、入り口にいきなりタッチパネル式の券売機
これの操作に戸惑ってしまう
ラーメン屋にある様な、ボタン式の券売機ならまだギリギリわかる
だけど、タッチパネルタイプの券売機には結構苦戦した
メニュー一つ選ぶのにも、メイン料理なのか、サイドメニューなのか、デザートなのか、ドリンクなのか
メインだけでも何系の料理なのか
一つ一つ選ばないと目的のメニューにたどり着けない
「なんと注文の多い料理店なんだ・・・」
この時点で少し食欲が落ちる
しかもこれは、お店のメニューをある程度把握していないといけないので、発券までのハードルが上がってしまう
初見のお店で、入店直後にタッチパネル式の発券機があると、正直白目になる
もたもたしていると、店の入り口に行列が出来てしまい、焦る
席に着く前から全く落ち着かない
操作を間違えようもんなら、後ろから舌打ちでも聞こえてくるんじゃないかとビクビクしてしまう
僕はやっぱり、入店したら、とりあえず席について、ゆっくりメニューを一周眺めたい
これも食べたい、あれも食べたい、そうやって悩む時間も欲しい
「今日食べれなかったのは、次の機会に」とか考えたい
コロナ禍にあって、非接触を良しとする世間の流れから、この形式のお店がホントに増えた
そういうお店に限って、「モバイルオーダーが便利!」とか書いてるんだけど、「初めて来た店でモバイルオーダーとか知るかっ!」ってなるし、そもそも、モバイルオーダーを利用できるような人間なら、入り口の券売機で行列生産人間にはならない
いい加減、慣れないといけないんだよな
アナログ人間であることを言い訳にしてたらダメだ
出来ないとばかり嘆いていたら、時代に取り残されてしまうので、頑張って着いていきたいと思う
まずは、券売機を見ても、白目をむかないように努力しよう
と、同時に、対面接客を貫いてくれるお店も大事にしよう
僕にとって、ご飯屋さんはゆっくり出来る空間であって欲しい
席でメニューをゆっくり眺め、ああでもないこうでもないと考え、決まったら店員さんを呼んで注文する
たまに、店員さんから気の利いた声かけがあったりして、そんな時に僕は「おっふ」としか言えないんだけど
そんなやりとりも楽しみたい
タッチパネル式券売機で疲弊した後に訪れたカフェ
ここ1年、よく通っているカフェ
ここでは、いつもカウンター席の真ん中に座る
決まってホットコーヒーを頼むんだけど、目の前でマスターがドリップしてくれる
泡を上げながら膨らむコーヒー豆から、立ち上る湯気と香りがとても心地良い
まさに特等席
コーヒーを飲み終わりそうになった時、珍しくマスターに声を掛けられた
「お兄さん、今急いでる?」
用事もなかったし、のんびりするつもりだった
「いえ、ゆっくりさせてもらってます」
するとマスターがとても慌ただしい様子で、「ごめんやけど、急ぎで銀行に行かないといけないから、会計待っててくれる?」
その時、店を回していたのはマスター一人だったので、マスターがいなくなれば、無人になってしまう状況
僕自身は問題なかったが、むしろ店は大丈夫なのだろうか?と思いつつ「大丈夫ですよ」と答えた
直後、マスターは店内のお客さん一人一人に頭を下げて、店を出て行ってしまった
こんなこともあるんだな、と思いつつのんびりさせてもらうことにした
が、店は営業中
店内に残った客は状況をわかっているけど、新たに入ってきたお客さんは、案の定「あれ?」と言う表情になる
その度、「今、急ぎで銀行に行っているそうです。すぐに戻るとは言ってましたが・・・」と説明した
新規のお客さんは「なるほど」と言いながら、席に着く
何組かそんな感じで席に着き、のんびりみんなでマスターを待つことになった
なんだかんだ、マスターがいない時間が20分ほど続いた
そんな状況でも、誰も文句言わないんだから、この店は客に愛されてるなぁと思った
マスターが慌てて帰ってきた時には、店内から拍手でも上がりそうな雰囲気になってた
「お帰りマスター、お疲れ!」と声を掛けるお客さん
「新規は3組で、そこのテーブルが最初だよ」と、マスター不在の間の状況報告をするお客さん
店内に一体感があり、とても良い雰囲気に包まれてた
一段落付いたところで、僕も会計を済ませて店を出ることにした
「なんだか面白い体験が出来たな」と思ったけど、自分が感じた面白さを文字で表現出来ない
とにかく、とても良い時間だった
凄い極端な午後を過ごした
片やデジタルの門番に白目を向き、片や人間味溢れる店内で温かい気持ちでマスターを待つ
滅多にない凄く濃厚な体験ができた
デジタル社会に慣れるように頑張るけど、やっぱり人間味の溢れる社会の方が好きだな
極端な世の中じゃなく、うまく溶け込めるような、そんな世の中になって欲しい